CONTENTS

Ⅰ 難病とは何か
Ⅱ 難病患者への支援の意義
Ⅲ 諸外国における希少疾患の取り扱い
Ⅳ 難病患者・家族、研究を取り巻く問題
Ⅴ 現行支援の成果
Ⅵ よりよい支援のための改善方針

要約

  1. 難病とは、原因不明で治療法が確立されておらず、希少で、長期の療養が必要な疾患の総称である。患者やその家族は、診断の長期化や治療法未確立といった深刻な問題に直面している。当事者への支援は、個人のQOL向上だけでなく医学の進歩や医療の公平性確保、労働力維持といった社会全体の利益にもつながる。
  2. 多くの患者は、発症から診断確定までの過程で診断がつかないまま複数の医療機関や診療科を受診するなど、診断までの長期化に苦しんでいる。この要因の一つには、難病故の診断の難しさがある。また、難病研究は「患者数の少なさから十分なデータ収集が困難である」「市場規模の小ささから企業の開発が進まず、研究成果が実用化に至らない」といった問題が顕在化している。
  3. 現在、難病診断を促進する企業サービスや国によるIRUDなどの支援策が講じられている。しかし、こうした支援には地域差や情報格差といった問題が残る。
  4. 今後は「地域における難病対策」をより意識して、国が各自治体に求める役割や機能を明示したうえで、自治体を主体とした医療機関同士の連携強化や医師・患者向けの情報提供で診断を短期化する必要がある。
  5. そして、研究データの共有における障壁を取り除き、産官学が連携して研究を支援する枠組みを強化することが求められる。

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執筆者情報

  • 竹原 佳歩のポートレート
    名前
    竹原 佳歩
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部
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    北村 昂大
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    業務・IT戦略コンサルティング部
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    若林 城将
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    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部 ヘルスケアグループ
    グループマネージャー

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