NRIイノベーション・プログラムは、既存の起業支援とは一線を画し、「ゼロから事業のアイデアを引き出し、地域の普通の人たちが群れとして創造的起業家へと変容する」ことを目指している。
下図「創業計画で問われること」で示されている5つの観点――IDEA(事業アイデア)、WANT(本人の情熱・ウォンツ)、NEED(市場・顧客ニーズ)、CAN(実現可能性)、MONEY(収支計画)――は、イノベーション・プログラムの特徴のひとつで、現場で参加者に問い続けられる、ゼロイチの事業創出に不可欠な基軸である。この5つの観点が、起業家の創業案の成熟度を測る具体的な物差しとなる。これらは単なる設問群ではなく、「なぜその事業をやるのか」「誰に何を提供するのか」「どこまでやれるか」「どのように持続させるか」といった本質的な問いそのものであり、起業家の自己変革と現実適応力を促すための羅針盤である。
イノベーション・プログラムは、選抜型の支援や上から目線の評価ではなく、参加挑戦者自らが混沌のゼロ段階からもがきながら主体的に事業を構想し、チームと共に実現に向け手を動かす場である。5つの問いすべてに納得できる答えを導き出すことは容易ではないが、そこに向き合い続ける営みこそが地域に創造的起業家の母集団を着実に醸成する。その意味で「創業計画で問われること」は、夢想と現実の間を往還し、社会を変える一歩を踏み出す原点とも言える。イノベーション・プログラムの本質は、この厳しくも柔らかな問いが、参加者の中から本気のイノベーターを引き出す仕掛けにこそ宿るのである。
創業計画で問われること――イノベーション・プログラム

イノベーション・プログラムの詳細

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執筆者情報
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- 執筆者
- 齊藤 義明
- 部署
- 未来創発センター 地域創生・環境研究室
- 所属・職名
- チーフエキスパート
お問い合わせ先
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NRI 未来創発センター研究レポート担当